プロスペクト理論

プロスペクト理論について

プロスペクト理論という言葉をご存知でしょうか？

私は、FXに関わってから初めて知りました。
何だかFXと関係ないような雰囲気の言葉ですが、とても大事な理論だと実感しています。

裁量トレードでは、この概念をしっかり認識しておかないと大負けしてしまいます。
よくコツコツドカンでで負ける方がいますが、まさにこれが当てはまります。
私も、これで失敗したので、非常に納得の理論です。

この理論を端的に言ってしまうと、「人間は感情が絡むと合理的な判断が出来なくなる」ということになります。

具体例として、よく挙げられるのが、コイントスの問題です。
以下の２択があったとして、あなたはどちらを選ぶでしょうか？

おそらく①を選ぶのではないでしょうか？
リスクをおかさずに100万円もらえるのですから、感覚的にはこちらを選ぶべきだと感じると思います。

しかし、合理的に考えればこれは間違いとなります。
なぜなら確率を考慮して期待値で考えた場合、以下のようになるからです。

これは、「利益を早く確定させ、損失を遠ざけたい」という感情が働く為に生じる事例です。

では、この概念がFXとどう結びつくのでしょうか？

勘の良い方であれば既におわかりかと思いますが、「利益を早く確定させ、損失を遠ざけたい」という感情に従ったトレードでは継続的に勝つことが困難です。

よく、「含み損に耐える」という言葉を聞かないでしょうか？
この「含み損に耐える」という感情こそが、大負けの原因になります。

よく見る失敗トレードとして、ここが底値だろうと買いポジションをとり、底が抜けてレートが下がっていってもポジションを持ち続けている事例があります。

いつかレートが戻るだろうと信じてポジションを持ち続けるも、含み損が膨らんでいき、あえなくロスカットされることになります。

自分の想定が外れた時点ですぐに損切りしておけば最小限の損失で済んだのに、損失の確定を恐れたが為に全損の憂き目にあってしまいます。

逆に、とったポジションが想定通りの値動きをして利益が出た場合、小さな利益ですぐに決済してしまう事例を見かけます。

すぐに利益確定せず、十分に待っていれば大きな利益が得られたはずなのに、ポジションを持ち続けることが出来ていません。

つまり、なぜFXでコツコツドカンで負けてしまうかと言えば、「利益はすぐに確定し、損失は限界まで引き伸ばすから」ということになります。

これはFXで勝つための大きなヒントで、「損失はすぐに確定し、利益は限界まで引き伸ばす」という逆の考え方でトレードすれば、良いということになります。

もちろん、言うは易く行うは難しというもので、それほど簡単なことではありませんが、この考え方はトレードの基本として非常に重要です。